<< 「ハゲタカ」の約束 | main | 『丁庄の夢』の閻連科さんとの邂逅 >>

スポンサーサイト

  • 2018.01.18 Thursday
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

一定期間更新がないため広告を表示しています


村上被告判決への素朴な想い

 数社から村上世彰被告の地裁判決についてコメントや寄稿の依頼が来た。
 正直、こんなにたくさんの依頼に戸惑ったが、ご指名ということでお受けすることにした。
 その内の1社で、提出した予定稿が、依頼された新聞社の思惑と合わず、掲載をご辞退するに至った。
 私としては、素直に事件のことを綴った“素朴な想い”だっただけに、とても残念だった。
 そこで、ブログで敗者復活させていただくことにした。
 文章は、依頼された原稿とほぼ同じ状態(最後の数行だけ、修正した)である。


 この裁判で、裁かれたものは何だろうか。
 判決を聞いてやっぱりと思うと同時に、わだかまっていた疑問が湧き上がってきた。
 無論、ニッポン放送株取得に対するインサイダーの罪だろう。だが、私にはこの裁判で裁かれたのは、罪ではなく、村上世彰という人ではなかったという気がしてならない。
 言わずと知れた村上ファンドを率いた村上世彰被告は、「モノ言う株主」として、日本の株式市場に登場した。企業の価値は、株価が決めるというのが、“常識”だ。ところが、日本の場合、企業価値は、株価だけでは計れていない。一等地を持ちながら、簿価で現在価値に換算されていないような場合、多額の現金資産を持っているような場合、さらに、企業や商品が持つブランド価値(のれん代)も、株価に反映されにくい。村上被告は当初、日本の株式市場と企業の“歪み”に一石を投じる風雲児的存在としてもてはやされた。
 彼の“活躍”により、“歪み”が是正された場合もあった。一方で、企業は株主のものだという主張に負け、本来は将来への投資として残すべき貴重な資産を配当などで吐き出した企業もあったと聞く。
 また、村上ファンドが株を買い始めると、個人投資家を中心に便乗買いがあったことも事実だ。日本社会が株と金に狂騒した一因を彼らが作ったことは否めない。ただ、私には彼や堀江貴文被告らの闊歩は、日本がグローバルな株式市場として成熟するために必要なジョーカーのように見えていた。
 そして、いずれ彼らは役目を終える時がくるだろうとも思っていた。願わくば市場という彼らの主戦場で決着して欲しい。そうすれば、日本の株式市場は明らかに成熟した証になるのではと期待していた。
 一方で、日本社会独特の“排除のシステム”が働く可能性を危惧していた。“排除のシステム”とは、「出る杭は打たれる」と言い換えてもいい。日本社会が、風雲児に振り回され続けることを嫌い、強権が発動される。そんな結果になれば、日本は自ら進化の機会を失うかも知れない、と恐れていた。
 そんな矢先、堀江被告、村上被告が立て続けに地検特捜部という権力を取り締まるはずの捜査機関によって逮捕された。
 なぜ、という思いと、やはり、という思いが錯綜したのが、両者の逮捕時の印象だった。
 村上被告側の最終弁論の中で、「検察官は、大衆社会にたまった嫉妬のガス抜き機関ではないはずだ」と述べている。私もそう願いたい。今回の判決も確固たる証拠に裏付けられた上での判決であることを願ってる。
 それでも私は考えてしまう。
 この有罪とは、どういう意味なのか、と。村上被告は、時代の徒花として咲き誇り、役目を終えて排除され一件落着、めでたし、めでたし……。それでいいのだろうか。
 私にはとてもそうは思えない。もう一度、この事件の本質とは何だったのか。司法は、何を裁こうとしたのかを考えるべきだ。
 さもなくば、日本経済は、またもや混沌とした闇の中に逆戻りしてしまいそうだ。

  

スポンサーサイト

  • 2018.01.18 Thursday
  • -
  • 20:54
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

コメント
はじめまして。
「検察官は、大衆社会にたまった嫉妬のガス抜き機関ではないはずだ」、本来はそうでなければならないのです。それが法治国家たる証ですから。
ですが、この国はそうはなってはいない。
コムスンでも同じです。弁護士らも指摘している通り、当初の事業譲渡は、何ら違法なものではありません。
それが当局の介入により、あのような事態になっている。
もはや感情論で懲罰が加えられている状態です。
裁きが感情論で行われる国が、法治国家と言えるのでしょうか?

法の上に感情が立つ国家、もしそうであるならば恐ろしい事になる気がします。

この根本を探っていくと、思い当たるふしがあるのですが、それは言わないことにします。あまりにも・・・
  • 80001
  • 2007/07/19 10:58 PM
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック
calendar
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< December 2018 >>
sponsored links
selected entries
categories
archives
recent comment
recent trackback
links
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM